ビットコインとは2009年に運用が開始された暗号通貨・仮想通貨の1つで、サトシ・ナカモトなる人物によって投稿された論文から作られました。

最近ではテレビCMやニュースでも大体的に扱われている為、ビットコインという言葉自体は知っている人が多いのではないでしょうか。しかしビットコイン、暗号通貨・仮想通貨と言われてもあまりピンとこない方もまだ多いのでしょうか。それは暗号通貨・仮想通貨が実態を持たないバーチャルなお金である為です。

円であれば1万円札や1円硬貨。ドルであれば1セント硬貨、100ドル札と実態のあるお金があります。しかし仮想通貨や暗号通貨に実態はありません。手で触ることができないバーチャルなお金です。ではそれをどうやって手に入れて、持ち歩いて、使うのでしょうか？ざっくりとしたイメージは湧きますが中々こうだと理解している人はまだまだ少ないです。

今回は仮想通貨取引所CoinCheckのCOOの著書「いまさらBitcoinとブロックチェーン」の書評を兼ねて、ビットコインの概要をご説明します。

ビットコインとは何なのか

ビットコインとは先述の通り、実態を持たないバーチャルなお金です。外貨と同じように日本にもいくつかある仮想通貨取引所を活用すれば、円を使ってビットコインを購入することが可能です。またそのビットコインを誰かに送ったり、逆にもらったり。例えばビットコインの受け入れ体制があるお店（ビックカメラなど）であれば、ビットコインを送ることで決済手段として活用することも可能です。

ビットコインの単位はBTCで例えば1BTCは2017年10月20日 15:43現在630,719円です。高すぎてそんな大金いきなり手が出ないと感じるかもしれませんが、ビットコインは0.00000001BTCから購入可能です。この場合2017年10月20日現在1円以下ですので、実際には小学生でもビットコインを購入することは可能です。ちなみに0.00000001BTCの最小単位はサトシ・ナカモトから取った「1satoshi」と呼ばれています。

詳細は割愛しますがビットコインは「マイニング」と言われる作業を繰り返し、10分単位で新しいビットコインを採掘しています。技術的に理解したい人を除いて、仮想通貨取引所でビットコインを買ったり送ったりするだけであれば「マイニング」の仕組みを1から理解する必要はないでしょう。詳細に理解したい人はビットコインの公式から以下の説明が公開されています。

ビットコイン採掘の仕組みは？｜bitcoin

お金の本質は「信用」です。日本円も皆が日本円を、発行している日本という国を信用しているので使うことができます。例えば全く信用していない商人から商品を購入しようとしても1万円払おうが100万円払おうがそこに価値はありません。しかし実際には日本円には価値があると皆が信用しているので、1万円の商品を1万円札で購入できます。

ではビットコインの信用とは何でしょうか。結局はデータであるビットコインはコピーも改ざんも簡単にできそうです。事実私達は今使っているパソコンやスマホで毎日のように様々なデータをコピーしたり修正したりしています。メールなんて送ったPCに、メールサーバーに、送った人達にと工程の中で大量のコピーができています。

しかしビットコインは誰も偽造・改変ができません。そしてビットコインは有限（2141年に全てマイニングされる予定）であり、どこかの国や企業が運営しているわけでない点も信用における点です。この信用を確保している理由は「マイニング」。そしてブロックチェーンという技術によるものです。

ビットコインって安全なの？暗号化とブロックチェーンによって安全性が確保されています

ビットコインの根幹を支える技術にブロックチェーンがあります。ブロックチェーンの全てを理解しようとすると本を一冊読まなくてはいけないなど、技術的には深いITの知識が必要になりますので今回は簡単に紹介しましょう。

簡単に言えば「ビットコインの取引履歴が全量記載されたもの」 です。誰が誰にビットコインを送ったか、ビットコインを受け取ったかいうデータがチェーンのように1本に記録されており、取引記録は、ビットコインのネットワークに参加しているコンピュータ全量に分散されています。あくまで1本の鎖であり、どこかで道が別れていません。過去から現在に1本の取引記録が記載されています。

例えばデータを遡って変更しても他のコンピュータとの整合性が取れない為、不正はすぐに明らかになります。その為過去の取引データが改ざんされることはありません。

そして送金などの取引（トランザクション）もビットコインネットワークに参加しているメンバーがお互いに承認される必要があります。そしてこのトランザクション自体もハッシュ関数と言われる特殊な関数によって暗号化されており、取引自体の改ざんを防いでいます。

ビットコインと現金との違い

大体ビットコインの概要も理解してきましたが、それでは現金との違いはなんでしょうか？大体はわかるが説明するのは難しいですね。

まずは実態を持つ現金と、持たないビットコインという違いがあります。さらに大きな違いはどこかの国に属す通貨ではなく、国際通貨であるという点です。日本では全ての決済を円で処理することができます。アメリカはアメリカドルで全ての決済を処理できます。しかしビットコインはその国にビットコインの受け入れ体制が出来ていれば、全ての国でビットコインを利用することができます。まさに国際通貨です。

そしてもう1つの違いは暗号署名によって、誰のお金かがわかる点です。例えば私が1万円札を落としました。誰かが拾ってたとしてもその1万円が私の物である証明ができません。拾った人が自分の物だと嘘を付いていても、その嘘を暴く証明方法がありません。

しかしビットコインは暗号署名によってこのビットコインは誰の持ち物であるかが分かります。

ビットコインは安全性も高くどこでも利用される国際通貨

ビットコインはブロックチェーンや暗号化、そしてマイニングという技術からとても高い安全性と信用できる通貨と言えます。またその国に受け入れ体制があれば、どこでも利用できる通貨であり例えばアメリカにドルを送金したい場合、円をドルに変えて送金とすると高い手数料が必要ですが、ビットコインがあれば送金一発でとても安い手数料で完了します。まさに国際通貨です。

ビットコイン以外の仮想通貨はアルトコインと呼ばれ、多くの種類のアルトコインが存在しますがほぼビットコインと似たような性質を持っています。日本の仮想通貨取引所で取り扱っているイーサリアムやリスクなどのアルトコインであれば安全だと考えて問題はないですが、登場したばかりのアルトコインはビットコインと比べて購入に注意は必要です。

しかしビットコインはその安全性の高さ、信頼の高さ、利便性の高さから2009年の運用開始以降どんどん価値を上げています。是非新しくて危なそうとリスクにだけ目を向けるのではなく、新しい通貨であるビットコインを活用してみてください。