鮒寿司(ふなずし)なる滋賀県に存在する郷土料理をご存知でしょうか。
28歳まで滋賀県に来る事もなく、友人が滋賀県で働くようになって1年で4回も滋賀県に行く事になった私ですが、滋賀に足を運ぶようになるまで鮒寿司の事なんて全く知りませんでした。
鮒寿司って言うんだから、そりゃ鮒で作った寿司なんでしょうと。酢飯にワサビがちょこんと乗って、その上にさらに鮒の刺し身が乗ってって奴でしょうよ。と思っていたのですが、全く違う強烈な臭いを放つ食物に私は驚愕したものです。
とりあえず鮒寿司とは以下の通り。
フナを用いた熟れ鮨(鮓)であり、滋賀県の名産である。飯と塩で作られるが、飯に漬けた後に酒粕に漬け直すこともある。その場合は、発酵臭が抑えられる。独特の香りがあり、魚肉のタンパク質がうまみ成分であるアミノ酸へ分解されたものである。江戸時代以来、主に琵琶湖の固有種であるニゴロブナが最適とされてきたが、ゲンゴロウブナも使用されている[1]。オスもメスともに使われるが、子持ちのメスのものは比較的高価である。
まず独特の臭みがあります。独特ってか超くせーです。そしてもちろんそんな臭みのある食べ物なので口に含んでも凄いのです。私は鮒寿司専門店の目の前を通った時に既にノックアウト気味であり、友人は一度口に含みそのまま気絶をどうにか免れたという事でした。
ちなみに友人が勤務する病院の食堂では、勤務する医師が昼ごはんに自分で作った鮒寿司を持ってきて病院中を臭くしたという伝説があるようなのです。それくらいに鮒寿司は臭いのです。
尚、上記Wikipediaを参照すればデータが記載されていますが、くさやよりも納豆よりも鮒寿司の方が臭いのです。
基本的に臭みのある食べものが全般的に得意でない私ですが、大津市堅田の「しづか楼」で食べた鮒寿司は臭みに悶絶する事なく、美味しく食べられたのでご紹介します。
大津市堅田の「しづか楼」の鮒寿司は臭みも少なく、旨味を感じられて食べれた!
ちなみに何で「しづか楼」の鮒寿司は臭くないのかというと、女将さん曰く独自の作り方があるようですが、一番のポイントは水を一切使う事なく全て酒しか使わない事との事。大量の飯と塩、そして大量の酒を使って作る事で臭みの少ない美味しい癖になる鮒寿司ができるようになるとの事なのです。
滋賀県の郷土料理であり昔は頻繁に食べれたという事ですが、現在はブラックバスやブルーギルの繁殖によって材料となるニゴロブナが減少し価格が高騰。現在では結構高い値段となります。その為、上記のように滋賀県では自分で作る人もいるとか。
ちなみに以下が「しづか楼」で食べた鮒寿司。大体1匹5,000円~6,000円という事でしたが、ちょうど小さいサイズの鮒寿司があり、こちらが4,000円。2人共鮒寿司に苦手意識があった事、また2人でそこまで食べれない事もありちょうど良いサイズでした。the食べきりサイズ。
以下のように鮒の頭の部分、体の部分、そして一緒に漬ける飯と3つの異なる食感と味を楽しむ事ができます。
まず食べる前に嗅いでみても、そこまで強烈な臭さは感じません。いや全く感じません。そして恐る恐るまず身を食べてみても臭さは感じずに凝縮した魚の旨味とお酢の感というか発酵の味。
そして飯がブルーチーズのような深みのある味わいになっているのですが、こちらもそこまで臭すぎる事はなく、めちゃくちゃつまみに最適だと。
個人的には魚の頭の部分が一番美味しかった。身がぐちゃぐちゃという感触なのですが、一番旨味があって、個人的にはこの頭の部分をパクついておりました。
どれも部位も味付けは濃く、恐らく酒飲みの方であれば日本酒を飲みながら鮒寿司という食べ方はかなり楽しい時間となるでしょう。つまみに最適です。
とりあえず滋賀県に来た際には1つ鮒寿司を食べてみては如何でしょうか。別に「しづか楼」の鮒寿司を食べろ!とは言いませんが、とりあえず好き嫌いが結構ある私にも「しづか楼」の鮒寿司は食べれました。
癖になる方は癖になるよう。私も確かに最後の方はどんどんあと引くその独特の味に、若干癖になっていました。
まぁ臭くない「しづか楼」のものでなく、めっちゃ臭い鮒寿司を食べて悶絶するのもまた一興でしょう。
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