森見登美彦に学ぶ「恋文（ラブレター）の技術」9つの心得

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私は森見登美彦という作家が大好きです。

「森見作品にハズレなし」とは私の中では有名な定説となっていますが、仮にどれが一番好きな作品か？と問われれば私は「恋文の技術」と答えます。

前に私のなかの森見作品ランキングなるものを書いてみましたが、見事その中で一位を獲得したのがこの「恋文の技術」なのです。

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この物語は基本的に完全一人称で、主人公の守田一郎が様々な関係者へ手紙を出しまくる話です。その最終目的は誰でも落とす事ができる「恋文の技術」を手に入れる事。

まぁ実際にはそんな風にうまくはいきませんし、この時代に恋文・・・？っという感想はもちろんあるのですが、この「恋文の技術」の心得は主人公守田一郎が愛する女性伊吹夏子さんに向けた「失敗書簡集」の中で明確となっています。

今回はこの小説「恋文の技術」に学ぶ、ラブレター（恋文）を書く際の9つの心得をご紹介致します。

今の時代であればメール、Line、Facebookなどなどそういったものでも代用できるでしょうか。

＜森見登美彦に学ぶ「恋文の技術」9つの心得＞

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＜1.大言荘語しない事＞

「恋文の技術」ではこの様に大言荘語し失敗しています。

私と知り合った人間のうち、なんと95％の人が「守田一郎は将来ビックになる」と回答しています。アイダホ州大学のコヒブミー教授（医学博士、哲学博士）の名著『ビックな男になる方法』によれば、私のような男こそ、21世紀の日本社会で指導的地位につく可能性が高いそうです。次は貴女が、新生守田一郎の効果を実感する番です。
『恋文の技術』p229~230

うん、これはダメですね。明らかに最後の方変な食材とか美容液とか買わされそうですね。

就職活動でも自己PRは大変重要なポイントとなりますが、ラブレターになると押し押しはちょっとばかし考えものです。特に上記の様な文章はいけません。

大言荘語しない事が重要なのです。

＜2.卑屈にならない事＞

大言荘語しない事。とありますが、別にその反対は卑屈という事ではありません。こんな失敗があります。

伊吹さんはご立派です。貴女の才能と努力の前には私なんぞ何の値打ちもない人間です。社会に堂々と船出する勇気も湧かず、学問に志すわけでもない身で大学院へもぐりこんだ根性なしです。大学のお荷物です。こんな腐れゴミが貴女の様な才色兼備の」人に手紙を送るのが、そもそも生意気なのだ～中略~是非踏んでください。ヒールのかかとでムギュッと
『恋文の技術』p232~233

100％ダメです。厭世的にも卑屈にもなってはいけない！！

こんなネガティブな事は手紙じゃなくってその場で言われても嫌だし。っていうかもう完全にダメ。

ラブレターで卑屈は厳禁です！