羽生善治直伝の将棋を上達させる4つのステップ【書評】「決断力」

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私には小学校の頃から将棋好きの友人がいて、その友人とは今でも週に2回程顔を合わせ、そこでもよく将棋の話をするので無駄に将棋に詳しいのです。

実際に自分で将棋を指すとそれはもうその弱さに驚愕します。将棋会のヤムチャと自分で名乗っているのもその弱さ故でございます。

しかし、将棋を(解説付きで)見ることも大好きですし、無駄に将棋の歴史や、

「序盤のエジソン」
「藤井システム」
「伝説の5二銀」
「加藤一二三のエピソード」
「南禅寺の決戦」

といった将棋界のエピソードも大好きです。

その中でもやはり羽生善治さんは特別な思い入れがあります。その無類の強さ、どんな形でも、戦法でも自由自在に使いこなすオールラウンダー、そしてチェスもめっちゃ強い。羽生善治さんは調べれば調べる程に、知れば知る程にその凄さが理解できます。

そんな私も大好きな羽生さんの著書「決断力」を読みました。

この本では直感の大切さ、またその直感の育て方、人生の楽しみ方、集中力について。などなど様々な事について将棋を例えに書かれています。

率直な感想でこの本は「その辺のビジネス書や自己啓発を速攻で脇に追いやっておいてまず読んだ方が良い本」だと、個人的には感じました。

実は以前勤めていた会社である企業の研修の募集があり、その特別講師が羽生善治さんだったのです。が、その研修の対象が30歳以上のマネージャーとあり、当時25歳だった私は参加できなかったのです。あぁ、めっちゃ参加したかった。この本を読むとより一層参加したかった。

この本の中に「将棋伝達方法」について触れている項目があり、私はこの4つのステップに凄く共感を覚えました。この4つのステップは将棋だけでなく、全ての物事を上達させる方法だと強く感じました。

この羽生善治直伝の将棋を上達させる4つのステップ、いや物事を上達させる4つのステップをご紹介します。

羽生善治直伝の将棋を上達させる4つのステップ

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photo credit: nakashi via photopin cc

羽生さん直伝の将棋上達方法は以下の4つのステップです。

Step1.アイデアを思い浮かべる
Step2.それがうまくいくか細かく調べる
Step3.検証で実行する
Step4.検証、反省する

この4つのステップは上記でも説明した様に、あらゆる物事に対して上達する方法だと思っています。では1つ1つご説明します。

Step1.アイデアを思い浮かべる

将棋は駒の動かし方は誰でも1日もあれば覚えられます。定跡も今ではWeb上にいくらでもあるので覚えようと思えば簡単に手に入れて覚える事ができます。

しかし、駒の動かし方を覚えて様々な定跡を覚えればプロになれるか、勝てるかというとそんな事はありません。それではタダの記憶力がいい人が勝てる、記憶力を争う競技になってしまいます。

桂馬をココでこんな風に活用してみよう、こんな風に動かしてみようと自分のアイデアを足していきます。

これはまずどんな世界でも同じだと思います。プログラミング言語であれば、「Hello World」とまず表示したり、ifやwhileなどの技術をまず本で学ぶ事ができます。

しかし、この技術を実際に自分で作る物にどうやって活用していくのかを自分の頭で考えていく事が大切です。

まずは頭に入っているルールや技術、これを自分の頭で色々なアイデアに変えていく事が第一歩となります。

Step2.それがうまくいくか細かく調べる

次にそのアイデアがうまく行くのかどうか、それを実際に使えるアイデアなのかを考えていきます。

将棋であれば、そのアイデアを試したら自分であればどうやって対応するのか、そしてその対応をされてもうまくいくのかどうか。過去同じようなアイデアは試されていないのか、それがうまくいっているのか、いないのか。といった様に。

スポーツやゲームどんな技術でも、個人練習でそのアイデアが本当にうまくいくものなのかどうかを試していきます。

まずは試してみて机上の空論からの脱却といった感じでしょうか。

Step3.実践で実行する

次に実践で検証を行います。

将棋の場合は対局で実際にそのアイデアを活用してみて、うまくいくのかを試します。その時には自分で考えた対応とは全く違う対応がきたりという事が多々発生します。

それでも実践でうまくいかない技術であれば、戦術としてはあまり意味がありません。

ここでしっかりと実践で試して、予想と結果のギャップを正確に掴んでおきます。

Step4.検証、反省する

最後の一番重要な部分が検証、反省です。

よく羽生さんも含め、棋士は「参りました」と勝敗が決まってから、2人で検証を行なっている映像をよく見ます。

こうしたらどうだったのか、この時こうすればどうなっていたのか。を検証、反省するのです。

このステップで実は実践では使えないアイデアかと思われたものが、使い方次第で使えるアイデアになるかもしれませんし、そのままやっぱり全く実践では使えないアイデアになるかもしれません。

しかし、使えなかったアイデアも自分で手を動かしてアイデアから知恵に変化する事で、「こうなったら負ける」「こうなった良くない」という事が認識でき、無駄にはならないのです。

将棋と違って他の物事では、完璧な検証はできないかもしれませんが、このステップで自分のアイデアを使える、使えないにせよ、知恵として体に染みこませていく事が大事なのです。

将棋ファンならずとも読むべき本!

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photo credit: JustABoy via photopin cc

もちろん将棋ファンであれば、本の中に出てくる故大山康晴氏、故升田幸三氏、加藤一二三氏、谷川浩司氏、佐藤康光氏といった面々のエピソードや、羽生にらみや羽生マジックに関する事も書いてあり非常に面白いです。

えぇー羽生さん勝敗やタイトルは特に気にしないのかよーー!?とか読んでて思ったもんです。

しかし、将棋と決断力を軸に多面的に物事の本質について書かれているなぁ。というのが私の感想で、読んでいて本当に腑に落ちる部分、やる気が向上する部分、自分で試してみたくなる部分が多々あります。

特に、

文字だけを読んだり、表面だけをなぞって「知識」だけを深めても意味はなく。それを自分の手で試して、実験してみて「知恵」にしなくては全く意味がない。

という内容には非常に共感し、これからも念頭に置いて生きていきたいなぁと感じた部分です。

もう2013年も終わりですが、恐らく私が2013年に読んだ本の中で最も印象に残った、糧にしたいと感じた本でした。

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