歴史的名作なのに今読んでも新しい推理小説【書評/ミステリー】毒入りチョコレート事件

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元々小説を読む習慣はあったし、シャーロック・ホームズシリーズは大好きで全部読みました。でも推理小説はそれ以外何故か読んだ事のなかった私。

私に色々文学を教えてくれた友人が今は推理小説にハマっていて、とりあえず何か面白い推理小説ないか教えてよと頼んだ所、即答されたのが

アントニイ・バークリーの「毒入りチョコレート事件」

でした。

プッ!。何そのタイトルと思ったのですが、読み終わってみてこれは面白い、名作だ!と1人感じておりました。何が!?と問われると難しいのですが、これが本当に新しいのです。

昔の作品であるし、どうやら推理小説として名作に入る作品のよう。

推理小説に興味のある人は是非読んて欲しい。興味のない人はどうしよう。まぁ読んでみてください面白いから。
では、どんな作品だったのか書評を、出来る限りネタバレなしで書きましょうぞ。

毒入りチョコレート事件のあらすじ

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photo credit: limbte via photopin cc

ちなみにウィキペディアみると犯人まで書いてあるから、読む前にアクセスしない方が懸命でしょう。

私なりにあらずじとババっと纏めてみると、

事件は貴族Aのもとに新商品のサンプルとして有名な会社のチョコレートが届く。そのチョコレートを貴族Aはあるクラブで受け取るのですが、そのチョコレートをある理由からそのクラブに居合わせた貴族Bに渡す。持ち帰った貴族Bは帰って妻と一緒に食す。妻は7つ、そして貴族Bは2つ。

貴族Bはその後すぐに外出するが、外出先で倒れる。そしてその間に妻は絶命してしまう。原因はそのチョコレートに毒(ニトロベンゼン)が仕込まれていたからである。

この事件は警察(スコットランドヤード)では解決できないのですが、この物語の主人公であるロジャー・シュリンガムが率いる「犯罪研究会」の6人のメンバーが、その事件に関する推理をして、1日1人ずつその推理を披露していく。

という物語。

何が推理小説として新しかったのか。それは推理の誤り。

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photo credit: Jonathan Kos-Read via photopin cc

で何が個人的に新しいと感じたのか。

普通の推理物は事件が起きて、ある天才的な頭脳や洞察力を持った探偵や警察がずばばばーっと解決してくパターンが多いでしょう。私の好きなホームズもそのタイプです。まぁホームズも凄く面白いですがね。

しかしこの毒入りチョコレート事件は既に起きた事件に対して、ロジャーを含む6名の「犯罪研究会」のメンバーが協力する事なく、それぞれに独自の推理と調査を行った結果を一晩ずつ発表していくのです。

面白いのはどの推理も同じものがないのですが、読んでいるとそのどれもが正しいように感じてしまう事。しかし、その多くのどれもが実際には間違いであって、物語の中の推理の間違いがどんどん指定され崩壊していく所にあります。

合計7つ(警察を合わせて)の推理が語られる訳ですが、途中から私は

「この推理のどこに誤りがあるのだろうか・・・?」

という今までの推理小説にはない考えを常に感じながら読むこととなりました。

アラ斬新。

推理小説の名作は本当に面白かった。

いざ推理小説を読もう!と考えた私は本当に運が良かった。

こんな面白い作品が一番最初に読めたのだから。

今年はちょっとばかし多くの推理小説を読んでいこうと思っておりますが、何か面白い推理小説はないか。と考えている方は是非

「毒入りチョコレート事件」

読んでみては如何でしょうか?

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