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こんにちは柬理(かんり)@keikanriです。
マジ面白いです。爆笑でした。
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何がって?
いやそれは森見登美彦氏の小説「恋文の技術」の事ですがな。森見作品にハズれはなく全て面白い事は周知の通りですがこの「恋文の技術」は笑いという部分だけを見れば別格と言えるでしょう。
この本を読んでいてファミレスやカフェで爆笑してしまった私がどれほどの店員さん、お客さんに白い目で見られたかわかったものではございません。
「あいつ友達いないんだなぁ。いつも本読んで爆笑しているし。可愛そうに」
っと思ってかカフェの横にいた老人に何度話しかけられたかもわかりません。
ではどのような部分がおすすめなのかを大いに語ってやろうじゃありませんか!!
「書簡形式の一方通行で進行する爆笑物語
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この物語は京都の大学生で主人公である守田一郎が、遠く石川県の実験所に飛ばされてその寂しさの為に複数人数に書簡テロを送りまくる完全一人称小説です。
書簡を送る相手は
友人:小松崎智也
最も厄介な大学の先輩:大塚緋紗子
家庭教師時代に教えていた小学生:まみやくん
大学の先輩で小説家:森見登美彦
心優しき妹
の5人。この5人と主人公は文通を行うのですが、主人公守田の文章だけが記載されるという中々に実験的な構成です。
最初に実は別々かと感じていた登場人物達が手紙を読む度に絡み合っていき、強烈なアハ体験がもたらせれます。そしてよくもまぁこの会話の全くない書簡形式の文章でここまで腹筋が崩壊する面白文章が書けるなぁと単純に森見登美彦氏を尊敬します。
又、この過酷なる文通修行のテーマの1つにどんな相手でも陥れる事ができる「恋文の技術」を得る事があります。
これは京都時代から想いを寄せる伊吹夏子さんへと恋文を書くという最終目的の為のテーマで、それまでの失敗した恋文が披露される「第9話 伊吹夏子さんへ 失敗書簡集」の面白さがハンパではありません。
それまでの5人との文通によって得た知識をフル活動して伊吹さんへの数パターンの恋文を書くのですが、どれもが明らかな失敗作www。そしてそれに対する反省点も洗い出されているのですが、本当に愛すべきバカがここにおります。
約350ページ終始腹筋崩壊必死の偏屈で面白い文章の数々。その文章は本当に参考になるとともに嫉妬心すら感じる程にぶちのめされますが、それを覚悟の上で読めば、森見登美彦史上最高に笑わされるこの小説の虜となる事でしょう。
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