【書評】先が気になって夜も眠れないとはこの事か!「幻の女」が面白すぎた!

幻の女

私はミステリーが大好きですが、最初の数十ページ。特に事件が起きるまでは結構退屈に感じます。大体は最初の事件が起きるまでは結構面倒で実際に事件が起きてからは、物語の進行スピードもどんどん上がってそこからどんどんのめり込んでいきます。

実はウィリアム・アイリッシュの「幻の女」も2014年に買ってはいたのですが、当時忙しい事もあって最初の5ページ程を読んでから、なんだかノリきれなくて1回読むのをやめて、他のビジネス系の本だか何だかに手を出した記憶があります。

「幻の女」は東西ミステリーベスト100では1985年に2位、2012年に4位という素晴らしい評価を受けている作品であり、友人のミステリーマニアからも「幻の女は面白いから読んだ方が良い」と言われていたのですが、中々手が出ずにいました。

しかし、2015年になって結構時間的にも余裕があって、改めて「幻の女」を読み始めましたがこれがスンゲーおもしれーのなんのって。本当にすぐ読まなかった事を後悔するレベルの面白さでした。

「幻の女」あらすじ

とある夜。この物語の主人公ヘンダースンは苦虫を噛み潰した様な顔でニューヨークの夜を歩いていた。バーで声をかけたオレンジ色の帽子が目を引く女とヘンダースンは、共に酒を飲み、タクシーに乗り、その日妻と共に食べる為に予約したレストランで食事をし、同じく妻と見る予定だった劇場でのショーを見た。

家についたヘンダースンは、妻がヘンダースンのネクタイでクビを絞められて死んでいる事をバージェス警部から知らされる。

当然ヘンダースンは妻殺しの罪を疑われるが、彼には強力な証人がいた。オレンジ色の帽子の女である。

妻が死んだ時間帯、ヘンダースンはオレンジ色の帽子をかぶった女と一緒にいる事はヘンダースン自身が一番よく知っていた。しかし、バーの店員、タクシーの運転手、レストランの店員と誰もがその日ヘンダースンは1人で女なんて連れていなかったと証言する。

ヘンダースンは刑務所に入れられ死刑の宣告を受ける。ヘンダースンは事件の全貌を暴いてほしいとある人物に頼む。

Keikanri的「幻の女」を読んでこう思った

ミステリーの古典の1つであり、特に日本では絶大な人気のある作品という事ですが私もキッチリとハマッた作品で先が気になって気になって夜更かしをして読みたいという素晴らしき推理小説でした。

実際に事件が起きてから唯一の証人であるオレンジ色の帽子をかぶった女の事を、絶対に見ているであろう人物達が全員で「見ていない」という辺りから、読み手である私の頭の中に「?」「?」「?」と謎ばかりで、その中にある小さい証拠1つ1つを潰し込んでいく流れがめちゃくちゃに面白いのです。

ネタを知らない人が読めば、恐らく十中八九ダマされるであろう作品。それでいて1942年の作品とは思えない古さを感じさせない作品。また訳者の力によるものかもしれませんが、読みやすさ抜群でスイスイ読めてしまうストーリー。

個人的にはバージェス警部が全てにおいて最高で、ハードボイルド的なかっこよさも体験できる作品。2014年になってからミステリーをまた読むようになったけれども、そこから読んだ中でも1,2位を争う抜群の面白さでした。

まだ読んでいない方は是非読んでほしい!めちゃくちゃおすすめな1冊です。

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