【書評】人と企業はどこで間違えるのか?を読んだ感想

人と起業はどこで間違えるか

去年2014年末に2014年にビル・ゲイツが読んだ記憶に残る本として紹介された本書。実際には相当昔にウォーレン・バフェットからビル・ゲイツがオススメのビジネス書を聞いた時に推薦された本らしいのですが、その本が2014年の末に日本語訳されてリリースされ、話題となりました。

それが本書「人と企業はどこで間違えるのか?」です。

人が、起業が様々な事件、出来事の中でどうやって考え動き、それがどんな形になっていったのかという事をアメリカのジョン・ブルックスが実際の記録、インタビューをして書き上げた10のノンフィクションとなっています(実際の本では12の物語のようですが、日本語訳版では2つの物語は割愛され10の物語となっています)。

参考:ビル・ゲイツ氏が選ぶ「2014年に読んだ記憶に残る5冊の本」

かのビル・ゲイツが昔からいつまでも読んでいるような本、無論気になりますね。気になります。

という事で私もいち個人として、これからの人生間違える事がないようにこの本を読んで学ぼうと考えたわけです。えぇもちろんそう考えたわけです。

人、そして企業が間違う数々の物語

この本に収められている、人と企業が間違える10の物語とは以下の物語となります。どれも事実に基づいた話です。

第1章 伝説的な失敗 フォード社エドセルの物語
第2章 公正さの基準 テキサス・ガルフ・サルファー社インサイダー事件
第3章 ゼロックス、ゼロックス、ゼロックス、ゼロックス
第4章 もう一つの大事件 ケネディの死の裏側で
第5章 コミュニケーション不全 GEの哲学者たち
第6章 最後の買い占め メンフィスの英雄、かく戦えり
第7章 二つめの人生 ある理想的なビジネスマンの記録
第8章 道化の効能 いくつかの株主総会にて
第9章 束の間の大暴落 永遠のホセ・デ・ラ・ヴェガ
第10章 営業秘密の変遷 ダンス、クッキー、宇宙服

実際に読んでみるとすぐに第1章で分かるのですが、この本には最近のビジネス書によくある「人と企業が陥る10の間違い」といったようなタイトルの本とは違い、こうやって人は間違えるんだ!といった事を提示してくれるわけではありません。

どれも実際に企業が大きな赤字を出したものや、とある人物がインサイダー取引に手を出した話、上司と部下、会社の中での認識の違いによって生まれた犯罪、感情に訴えかけ多くの人からの支持を受けながら、図に乗った事によって失敗した人間、そして自らの失言によって口は災いの元を体現した人。

といったように人や企業が過ちを犯していく物語が、そこにはあるだけです。「この物語をまとめると云々」といった最後に纏め的なものも一切ございません。

この物語から何を学ぶかは読者自身に委ねられています。

しかし、10の物語の中にはあなたがハッとするような物語も絶対にあるはず。私は5章のコミュニケーションに関する話や、10章の口が災いを起こした話なんかは読み終わった後に深く考えさせられる部分が多くありました。

何かに立ち止まった時や、決断を迫られた時に是非手元において読むべき本。そんな印象が強く残った良本でした。

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