久々の森見登美彦新作。またしても先が全く想像できない展開に全ページ楽しく読み終わりました。
約3年ぶりという単行本、そして今までの休息の原因が体調不良だった事、前作「ペンギン・ハイウェイ」
は今までの森見作品とは明らかに毛色の違った作品であり、どうなるのかと思っていましたが、期待を裏切る面白さです。
この「聖なる怠け者の冒険」から森見作品に触れても問題なく楽しめます。が、今までの森見作品を読んでいれば面白さも倍増する作りも今まで通り。
特に彼の過去作「宵山万華鏡」と「有頂天家族」の世界観とはかなり繋がりがあり、一読しておくとニヤリとせざるを得ません。
ではこの「聖なる怠け者の冒険」の読書感想文を書きましょう!
<森見節の聞いた主人公小和田君。そして森見登美彦流マジックリアリズム全開!>
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今作も数多くの魅力的なキャラクターが登場しますが、何より主人公である小和田君のキャラクターは素晴らしい。
物語の序盤は中々登場せず、そして登場したと思ったら中盤まで寝ているだけの彼。今までの全小説界の中でも最も動じず怠け者である男です。趣味は週末の夜更かしをして「お嫁さんができたらやりたい事リストを修正する事」というかなり馬鹿げたキャラクターとなっています。
終盤は森見登美彦が得意とするマジックリアリズムの激流。ありえない世界観だけれども「こんな世界もあったらさぞ楽し!」という世界観と現実が入り乱れます。
その言うなれば”大”冒険中の小和田君はいつも通り全く動じず、コレがジャンプ作品によくある「絶対最強な主人公」ばりの頼もしさを読んでいて多分に感じ、心の中で「よくやっった小和田君!!」っとガッツポーズしてしまうのです。
<完全に書きなおした本作>
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終盤で色々広げた伏線を回収してくれて、ストンと腑に落ちる素晴らしい作品。なのですが、どうやらこの「聖なる怠け者の冒険」は朝日新聞で2009年~2010年に連載されていた頃とは登場人物以外全く異なるそうです。この内容についてはあとがきで森見登美彦氏自身が語っています。
実家で朝日新聞を家でとっているにも関わらず、嘆かわしい事にこの連載に気付きもせず読んでいなかった私。
嬉しい事に下記朝日新聞出版のサイトより原作の序章が読めます。確かにコレは全く違う作品。私の知っている小和田君はこんなアクティブではございません。
朝日新聞出版 最新刊行物:お知らせ:森見登美彦「聖なる怠け者の冒険」ぽんぽこ仮面と新聞連載原稿ダウンロードできます
久々の森見作品は彼らしい京都を舞台にした、しかも祇園祭宵山の1日を舞台とした快作!
内容もスラスラと流しそうめんの様に目に頭に流れ込んでくる分かりやすさ。是非おすすめです!
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