京都の「四畳半」が舞台となる7つの妄想短編【書評】「四畳半王国見聞録」by森見登美彦

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photo credit: monicca via photopin cc

日本に数多くの小説あれど、ここまで「四畳半」という単語が入り乱れる小説を今まで読んだ事がありません。

その小説こそが、私の敬愛する作家、森見登美彦氏の短篇集「四畳半王国見聞録」。森見登美彦氏の小説には、同じく四畳半とつく小説にアニメ化もされた「四畳半神話大系」があります。

実は私、この「四畳半王国見聞録」。なぜか勝手に「四畳半神話大系」のファンブックか何かと勘違いして読んでいませんでした・・・。

しかしながら、2013年6月に文庫化されよくよく調べてみると7つの短篇集との事。

なんだって!?

森見登美彦ファンを自共に認める私が、彼の作品でまだ読んでいないのがあったとは!?

っという事で発売日に地元の小さい本屋に直行し、なぜか入荷がなかったのでAmazonで速攻勝手読みましたですハイ。

偏屈ピラミッドの頂点に立つ様な妄想7編

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photo credit: kalleboo via photopin cc

収録される短編は以下7つ。

1.四畳半王国建国史
2.蝸牛の角
3.真夏のブリーフ
4.大日本凡人会
5.四畳半統括委員会
6.グッド・バイ
7.四畳半王国開国史

うん、よくわからんタイトルが多いですな!これぞ森見登美彦!

1つ1つの作品のあらすじを説明する事など読めばいいだけなのでしませんが、とりあえず森見作品の登場人物が多く登場する楽しい作品でした。

「蝸牛の角」には明らかに「四畳半神話大系」の登場人物4人が、他にも「新釈 走れメロス 他四篇」に登場した芽野、芹那。「有頂天家族」に登場する淀川教授に鈴木。などなど。

ファンはクスリとするでしょう。

そして太宰治の未完となった名作「グッド・バイ」をオマージュした、そのまま「グッド・バイ」が本当に現代に太宰が蘇った様で面白い。言い方は悪いけれど太宰的な勘違いウザさ、それを言葉の波で押し通す様な1人口調(これがまたウザいw)。読んでいてクスリというか、ニヤリとする作品でした。

もちろんキャラクターの事前知識などは全く必要なく、始めて森見作品に触れる方でも面白く楽しめる様になっています。むしろ今作を読んでから「新釈 走れメロス 他四篇」、「四畳半神話大系」、「有頂天家族」といった作品を読んでも面白さは倍増のはずです。

文庫本になってお求めやすくなったこの「四畳半王国見聞録」。是非読んでみて!

森見節満載!超絶阿呆で偏屈が詰まっています!

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