2014年になってから推理小説というものにハマって読みまくっております。
推理小説には今での有名な架空の探偵はたくさいますね。シャーロック・ホームズにエルキュール・ポアロなどはその筆頭でしょう。
しかし、調べてみれば調べてみるほどに架空の探偵は、まだまだたくさん存在している事に気付かされます。何かこんなにたくさんいると、各々どんなキャラクターなのか非常に興味が湧いて、どんどん読みたくなってきます。
今回はその中でも私は知らなかったのですが、どうやら探偵界ではかなりの有名人なのであろうアメリカの推理小説家ヴァン・ダインが生んだファイロ・ヴァンス!という探偵がおります。
そのヴァンス物の最高傑作とも称される「僧正殺人事件」を読み、最後まで夢中で読む事が出来たので書評を書きます。
僧正殺人事件あらすじまとめ
ちょっとあらすじはWikipediaから拝借しますね。
高名な物理学者ディラード教授の邸宅周辺で、教授の姪に思いを寄せていた弓術選手ジョーゼフ・コクレーン・ロビンが心臓に矢が突き刺さり死んでいるのが発見され、恋敵であり死の直前まで一緒だったスパーリングという男が姿を消した。
コック・ロビンが弓矢でスパーリング(雀)に殺されたことを思わせる状況は、マザー・グースの「コック・ロビンの死と葬い」に不気味なまでの合致を見せる。そして現場の郵便受けには「僧正」と署名された、このことを示唆するような内容の書付けが入れられていた。
この事件では僧正(ビショップ)と名乗る男による、マザーグースの童話に見立てた殺人が数回起きるのです。「コック・ロビンの死と葬い」以外にもね。
僧正殺人事件を読んでこう思った
photo credit: Mukumbura via photopin cc
まず1つ目に思った事は本当に緻密で、作中何度も何度も騙された事。
この物語ではかなりの人数が被害にあい、どんどんと犯人の候補対象である人物が減って行きます。
もう読んでいくうちに「こいつ怪しいんじゃね?」という人物が、1人、また1人と消されていくのです。ちょっとネタバレになってしますかもしれませんが、私は最後の最後の章まで騙されました。
「あぁ、こいつか。さてどんなネタばらしがあるんだ。ん?」とか余裕こいて読んでいたら、「えっ?そっち?」と大ドンデン返しを喰らいました。
又、始めてファイロ・ヴァンスという探偵を読んで感じたのは、物凄く皮肉屋でカッコつけるこの時代の探偵だなという印象。しかもその濃度が超濃いーのコイツ。ポアロやホームズより濃いーの。
ホームズもポアロも作中で、一見意味がない様で意味のある小話(時に本当に意味ないのも)、知識を皮肉をまじえて披露したりしますが、このヴァンスはそれが長い、あと多い。途中にある今回の犯人像を推理する箇所なんて、確か4ページくらいに渡って難しい話が続いて、
「うわ、こいつ近くにいたら絶対ウザいわ」
と感じたものです。
が、しかし良いのです。探偵小説の主人公ではこれが良いのです。少なくとも私は好きなのです。
これぞ探偵!という探偵象を読んでみたければ、ファイロ・ヴァンスは良いのかもしれない。ちょっと他の作品も読んでみたい。そう思いました。
コメントはこちらへ!