エラリー・クイーンにはその作者の名前をとったエラリー・クイーン、そして父リチャード・クイーンが活躍する推理小説ががたくさん出版されています。
まだ現時点私はその第一作目「ローマ帽子の謎」(書評も書いたで!)しか読んでおりませんが、その緻密な世界観が面白くて、他の作品を読む事をそりゃー楽しみにしております。どえりゃー楽しみでんがなでございます。
しかし、ミステリー小説、推理小説の事を調べているとエラリー・クイーンの作品ではXの悲劇や、Yの悲劇、Zの悲劇といった作品の方がどうやら評価が高いご様子。
またまたもっと調べてみるとこの「Xの悲劇」の概要が面白くて、当時著者エラリー・クイーン(ちなみにエラリー・クイーンとはいとこ関係の2人です、その事も当時は隠していたみたい)としてでなく、著者バーナビー・ロスとして主人公探偵をドルリー・レーンとして発表した作品であり、当初は全くエラリー・クイーンとは関係ないと思われていたとか。
しかもメディアに出てエラリー・クイーン、バーナビー・ロスが推理小説について議論する時は覆面をかぶった2人がそれぞれとして出演し、議論しあっていたとか。おいおいおもしれーじゃねーか。
って事で今回はエラリー・クイーンがバーナビー・ロスとして書いた1作目、本格推理小説の中の本格推理小説と言われるXの悲劇を読んでみました。
Keikanri的Xの悲劇あらすじ
photo credit: a.k.a. Pedestrian Photographer via photopin cc
あらすじはこんな感じ。
満員の電車の中、株式仲介人のロングストリートが殺害される。狂気はロングストリートのポケットに入れられたコルク玉を中心に先端にニコチンを塗った縫い針が無数に埋め込まれた特殊な凶器。
この事件の担当となったサム警視とブルーノ地方検事の2人は、以前ある事件を解決に導いた元シェイクスピアを演じる50歳の俳優ドルリー・レーンの協力を仰ぐ。
その後の2名の被害者が出るが、ドルリー・レーンは最初の事件の話を聞いた時から犯人は誰だかわかっているご様子。さて・・・犯人誰なんだよいったい!
Xの悲劇を読んでこう思った。
まずこの作品は本格中の本格ということで、推理小説の中でもかなり人気がありランキングではいつも上位に食い込んでくる名作です。
私自身もまず殺害に使用された凶器やトリックが奇抜である事、そして架空の探偵ドルリー・レーンがまたかっこ良く、渋く、そしてこの時代の探偵にはよくある
「うん、ok。何でもわかっているよ。」
的な最強キャラで凄く引き込まれていきました。が、この多少ネタバレになってしまうかもしれませんが作品の中ではドルリー・レーン自体元俳優という設定もあってか(彼以外もそうなんだけど)、変装がよく使われ、
「いや、それはぶっちゃけ気づくだろ・・・」
と感じなくもない箇所があった事はちょっと引っかかりました。又、最後の被害者が残すダイイングメッセージのトリックを明かしてこの作品は幕を閉じるのですが、そのトリック自体も「おぉ!」とはならず、「・・・うん」とあまり腑に落ちなく、物語の展開やトリック自身は非常に面白かったけど、随所随所で強引な箇所を感じた、そんな作品だったね。
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