アントニイ・バークリーという推理小説作家がいます。
名探偵がどんな事件もズバッと解決!という普通の推理小説は好まずに、ちょっとばかしひねくれた推理小説を得意とする小説家です。個人的には私の大好きな太宰治となんかかぶります。作風が。
私も今まで彼の作品を1冊しか読んだ事がなく、最高傑作と言われる「毒入りチョコレート事件」しか読んだ事がありませんでした。
書評:歴史的名作なのに今読んでも新しい推理小説【書評/ミステリー】毒入りチョコレート事件
その”普通な”推理小説とは一癖も二癖も違い彼の作風が面白くって、今回は彼のもう1つの代表作「第二の銃声」を読んでみました。
って事で書評をば。
Keikanri的「第二の銃声」あらすじ
あらすじを私的に纏めます。
高名な探偵作家ヒルヤード宅にて多くの友人が集まる。その中である殺人推理劇行われる。被害者に抜擢されたのはその関係者全員から憎まれているスコット=デイヴィス。彼はその劇後に本当の死体として発見される。
劇でも殺人犯役であり、実際の事件でも殺人容疑を掛けられたピンカートンは友人である探偵ロジャー・シュリンガムに依頼を行う。その依頼は奇想天外なもので「自分にかけられた容疑を晴らす事、また他の誰にも容疑をかけられないようにする事」。
「第二の銃声」を読んでこう思った
photo credit: illuminaut via photopin cc
若干のネタバレもあるかもしれないので、読む予定がある方はそれを理解した上で読んでください。
読み終わった感想はやはりアントニイ・バークリーは普通の推理小説は書かないなという事。事件は二転三転するし、その中でシュリンガムはもっともらしい推理を展開するのですが、最終的にはそれ自体も誤りである事が読み終わった時にわかります。
この第二の銃声ではピンカートンの依頼通り、多くの手がかりの中でどうみても殺人事件である事件を見事に犯人はいないと推理します。シュリンガム自体は実際の犯人は実はあの人だ。と最後に残すのですがそれ自体も間違えており、さまざまなところにどんでん返しが用意されています。
今回もしっかり間違えてくれました!やってくれましたシュリンガム!
最後の最後までどんでん返しが用意されており、「騙されたぜ!!」という読後感を味わいたいのであれば、絶対読んだ方が良いかと。
個人的には毒入りチョコレート事件に匹敵するレベルの面白さでした。
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